温泉

【徳島県の温泉】白地温泉 林芙美子ゆかりの旅館「小西旅館」にある温泉

徳島県三好市にある白地温泉に行ってきました。



白地温泉は「放浪記」の作者である林芙美子ゆかりの旅館・小西旅館の中にある温泉で、場所は国道32号線と国道192号線が交差する直前の32号線沿いにあります。旅館の裏手には吉野川が流れており、表側にそびえる山の上には長宗我部元親が四国統一時に前線基地にしたという白地城跡があります。ちなみにその白地城跡にも「あわの抄」という温泉宿があります。

この旅館と林芙美子の関係なんですが、なんでも林芙美子が雑誌の取材で四国一周している道中でこの地を訪れ、小西旅館に泊まったそうなんです。んで「こんな遠い所には取材でなければ来れない。山紫水明な景色も気に入ったし、もう少しいたいなぁ」と思っていると、色紙や短冊を求める(今でいうサイン的な感じ?)地元民がやんややんやと訪れて、その中にいた小西旅館の親族である悦助さんと意気投合して連日遊びまくり予定を大幅に過ぎた10日間も滞在してしまったそうなんです。後に林芙美子はこの時の様子を「旅人」という小説にしたそうです。

館内には林芙美子所縁の資料がたくさん展示されていました。

んで、これが温泉。浴槽はこの内風呂一つのみで昔ながらのレトロな浴室って感じで風情があります。お湯は硫酸塩泉で、リュウマチ、神経痛、しっしん等に効能があるとのこと。触れてみると、少し硬めのお湯で、スベスベきゅっきゅとした肌触りでした。

お湯に浸かり、ふと窓を見ると、窓の外には竹林があり、その向こうに吉野川が流れていました。林芙美子もこの風景を見て作品の構想を練ったんでしょうかね。

ちなみに、宿の前を通っている国道32号線は、高知⇔三好市街間にほとんど信号が無いのでドライブするのに最適です。ドライブがてら白地温泉まで湯治に出かけるのも一興です。また、白地温泉から数十分で行ける三好市街には、日本酒好きにはカワカッコいいラベルで有名な三芳菊酒造があります。湯治のお土産に最適ですし、湯上がりに冷酒で飲むのにもおススメです。